靄のかかった港の泊地に浮かぶパイロットハウス艇。操舵室に人がいる

船の声を、聞く。

船が、相棒になる。株式会社BRAINSHIP MARINE TECHNOLOGY

解こうとしていること

安全は、経験では買えない。

プレジャーボートの事故で最も多いのは、衝突ではありません。船が動かなくなることです。2024年の866隻のうち、運航不能が約6割を占めました。衝突は1割です。

そして機関故障を起こした艇を調べると、故障部位の43%は「定期交換以外の部品」でした。点検表のとおりに整備していても壊れる部品です。さらに74%の艇には、整備の記録そのものがありませんでした

これは腕の問題ではありません。誰の腕でも、これは見えない。30年の経験は操船を上手くしますが、軸受けの劣化を見えるようにはしません。だからセンサーと記録が要ります。

開けた機関室のハッチを、灯りを持って覗き込む人

出典:海上保安庁「海難の現況と対策 令和6年」。「約6割」は同資料の運航不能4区分(機関故障185隻・その他161隻・推進器/舵障害100隻・無人漂流64隻/計510隻)を当社が合算したもので、全866隻に対する比率です。衝突は88隻・10%。機関故障のバックグラウンド調査は、同庁が事故艇164隻とその修理事業者を対象に実施したもので、故障部位の割合は有効回答137隻に対する比率です。「定期交換以外の部品」59隻の内訳は電気系47%・軸系25%。整備記録については、事業者の89%が「参考になる」と回答しています。同庁は対策として「故障の予兆(異音・振動等)を見逃さないこと」「整備記録の管理」を挙げています。

私たちの仮説

人の注意力を、責めても仕方がない。

見落としを減らす方法は、注意を促すことではありません。注意を切らさずにいられる側に、機械を置くことです。人は判断に集中し、見続けることのほうは機械が引き受ける。

計器を増やすことも、解決になりません。表示が1つ増えれば、見るものが1つ増えます。遠隔で見られるようにしても、確認する手間が増えるだけです。注意力が足りていないところに情報を足せば、事態は悪くなります。

必要なのは、増やすことではなく減らすことです。だから私たちは、相棒をつくっています。周囲と船体の状態を見続け、船長が気づくべきことを、気づくべきタイミングで知らせる。舵を握るのは、これまでどおりあなたです。

私たちが大事にしていること

海に出てつくる。

パソコンの前のシミュレーションでは、海のことは分かりません。波と塩と振動、行き交う船。東京湾には京浜港があり、大型船から小型艇まで行き交って AIS も密で、見続ける仕組みを試すには条件が厳しい。そこに拠点を置いています。確かめていないことを、できるとは言いません。

機能ではなく、安心をつくる。

できることを増やせば売れる、とは考えていません。私たちが数えているのは機能の数ではなく、船長が気にしなくてよくなったことの数です。

お客様の言葉は、Helva が聞く。

アンケートを配って集めるのではありません。船の上で交わされた言葉を、私たちがつくっている相棒 Helva が受け取り、次の Helva に反映します。使っている人のいる場所から、そのまま改善が始まります。何を記録し、何に使うかは明示します。

いま、どこにいるか。

  • 2026いま

    設立と、実証艇の就航

    7月に設立しました。年内に実証艇を就航させ、東京湾での実海域データの取得を始めます(就航は秋を見込んでいます)。

  • 2027

    クローズドβ

    限られた隻数のオーナーに実際に使っていただきます。ここで艇の種類と海域を広げ、製品としての形を固めます。

  • その先

    国内での提供、そして海外へ

    日本での正式な提供に移ります。並行して、レジャー艇の層が厚い米国東海岸での評価を始めます。

計画は、実証で分かったことに応じて変えていきます。会社の登記情報は会社概要にあります。

私たちが目指していること

海は、もっと自由になれる。

不安は、行き先を狭めます。天気が読み切れないから出ない。エンジンが心配だから、遠くまでは行かない。暗くなる前に戻る。知らない港には入らない。その一つひとつが、海の広さを削っています。

船の声が聞こえるようになれば、行かない理由が減ります。行かない理由が減れば、行ける場所が増える。私たちが最後に置きたいのは、安全そのものではなく、その先にある自由のほうです。

すべての船長に、安心と自由を。

明るい海を航行するクルーザー
Helva AI

ひとりで乗っても、ひとりじゃない。

Helva AI について